QUALITY OF LIFE THING

正直屋のものづくり

職人の手でしかできないこと

婚約指輪や結婚指輪は、毎日、何十年も人生を共にする“一生もの”。だからこそ正直屋は創業以来、強さと着け心地にこだわってきました。地金を幾度も叩き鍛え、限界まで金属の密度を高める「鍛造」の指輪は、耐久性に優れ、肌に吸い付くような指なじみの良さが特徴です。
指輪はすべて、ご注文をいただいてから製作するオーダーメイド。50年の経験を持つ錺(かざり)職人が、まだ輪っかですらないプラチナの塊を一本の美しい指輪へと仕立てます。力強くも繊細な手仕事と、十分にかけられる手間と時間。職人から職人へと受け継がれてきたものづくりの技術をつないでいくことは、私たちの使命だと信じています。

職人の仕事場

職人の仕事場

鍛造へのこだわり

地金を極限まで鍛え、強くて美しい指輪に

指輪の製法には、大きく分けて鋳造と鍛造があります。「鋳造」とは高温で溶かした金属を鋳型に入れ、冷やして固める方法。複雑なデザインや同じものを大量に造るのに適していますが、金属密度が低く変形しやすいという短所も。
これに対し正直屋がこだわり続ける「鍛造」は、職人が金属の塊を金づちで叩いて伸ばし、曲げたり磨いたりしながら手仕事で成形していきます。手間と時間のかかる方法ですが、何度も地金を叩いて鍛え、金属中の気泡を追い出すことによって、密度の高い固くて丈夫な金属になるのです。プラチナという金属は、実はとても柔らかい素材。純度が高いほど柔らかく変形しやすいプラチナの指輪には、強度の観点からも鍛造が適していると正直屋は考えました。

職人の伝統技術

着け心地へのこだわり

指輪の締めつけが苦手な方へ

正直屋の指輪が100年以上愛されてきた理由のひとつが、その着け心地です。鍛造ならではの滑らかな肌触りに加え、正直屋では、内甲丸(うちこうまる)仕上げによるストレスフリーな着け心地を追求してきました。内甲丸とは、指輪の内側部分を丸く削り出し、金属と指の接する面積を最小限に抑える仕上げ。こうすることで、“ちゅるん”とした指通りと、締めつけや違和感の少ない着け心地が叶うのです。長年の経験を積んだ職人の手だけが知っている絶妙な角度、バランス。その滑らかな指通りは、人によって普段の指輪サイズよりも1号下でちょうどいいというほど。指の節が気になる方や、指輪を着け慣れない男性に、ぜひ試していただきたい指輪です。
リング内側の断面 概念図

通常仕上げ

通常仕上げ:長方形

内甲丸

内甲丸:楕円状

着け心地の魔法

ミル打ちの魅力

ミル打ち(ミルグレイン)とは、地金に細かな粒を連続して彫り入れる装飾技法です。指輪の表面に美しいラインが描かれると、アンティークジュエリーのように繊細な表情が生まれます。ミルの輝きを左右するのは、一粒一粒の間隔や大きさ、深さの均一性。現在では型押しや鋳造によるミルが主流ですが、彫りが浅かったり大きさや間隔が均等にならないため、正直屋では職人による手彫りにこだわっています。たがねを使って一粒ずつ丹念に彫り込む作業には高い技術と集中力を必要とし、均一で美しいミルが打てる職人はほんの一握り。指輪のデザインに合わせて粒の大きさや深さを微細に調整できるのも、熟練の職人にしかできない卓越した技の結晶なのです。

正直屋では、ミル打ちされた指輪のサイズ直しも可能です。

ミル打ちの魅力